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奄美大島・ユタ神様
  鹿児島
奄美大島のユタの語り1
2011/04/06 02:09

奄美大島では、ユタ自身が「神様」と呼ばれ、ユタが拝んでいる神のことも「神様」と呼ぶ。ユタとなるべき人の巫病(ふびょう)を見抜き、新ユタの成巫式(せいふしき)を執り行うユタを親神といい、その親神についた新ユタのことを子神という。だが、その関係は師弟関係のようなつながりはない緩(ゆる)やかなもので、基本的にはユタは一人で神との折衝(せっしょう)を続け、成長を遂げていかなければならない。ユタの人生のプロセスの実際について、奄美大島で地域の人々から頼られ、そして多くのユタからも信頼されている世話役的存在のユタ、阿世知照信さんからお話を聞いた。阿世知さんは親神として、多くの子神の面倒を見てきた。阿世知さんの言葉を交えながらユタの人生のプロセスをたどりたい。?成巫前?ユタはユタとして生まれるのではなく、自分から志すわけでもない。自分の病気、仕事が上手くいかずにお金に困ったり、身内の病気や死といった不幸な出来事が続く。病気は、頭痛、不眠、幻覚症状、食欲不振などで、医療行為はほとんど効果を示さない。精
神の異常を程する場合もあり、ユタフリムンと呼ばれる。これらの現象を、本人や周囲が神がかりではないかと察っし、ユタに判断してもらうことから意識化が始まる。「こっちは(神棚の前に座らせ、ススキ=神を乗せるアンテナを持たせて)テストするんですよね。神が乗るか、乗らんか。そうしたら、ウワ‐っと乗ってしまって、とにかくススキをはげしく振り泣きだしたり、踊りだしてね。(本人は)神が乗るっていうのが、分からんのですよ。自分で泣いたり、踊ったんじゃないから」。最初は、ほとんどの人が、神の力が恐ろしいために、何とか逃げようとする。お金がないから、家族が信じないから、時間がないから、と。神に対して、結婚して生活が落ち着くまで、定年を迎えるまで何とか延期できないか、という延期願いをする場合もある。奄美では一人では済まんのが一番恐い。兄弟、血縁が3人くらいやられる。さらに子、孫って、次々と。本当は神っていうのは、これ自体、悪なんですよね。力が強いから。苦しめてみたり、助けてみたり。天気と一緒じゃね」。最終
的には、自分の身体が死の淵(ふち)に追い込まれ、ぎりぎりの所で、自分を神の使いとして明け渡す決意をする。?成巫式?奄美大島ではユタになるための儀式。 神から示された、あるいは自分の神を見極めてもらった親神に頼んで取り仕切ってもらう。 成巫式は同じ事を繰り返し3年続けて行い、7年目にもう一度行う。

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